三線の選び方
国際通り三線店が県産と一枚張りにこだわる理由をお話します。
◆お店から選ぶ◆
ご自分で三線の良し悪しを判断できる、あるいはご自分の好みの音の三線を探しておられる方はさておき、初心の方ではじめて三線を購入しようという方は、まず、信頼できる三線店を選ぶことです。とはいえ、物ならともかく人を選ぶほうがよほど難しいですね。人の良し悪しはお付き合いしてみなければ分かりません。とりあえず店員に話しかけて、三線について聞いてみてください。人当たりのよい、相談しやすい店員のいる店かどうかは大切な判断基準です(自戒を込めて)。敷居の高くない店を探してください(もっとも当店に敷居はないのですが)。
◆県産品を選ぶ◆
初心者の方に高い三線を勧めるお店は避けたほうがよいでしょう。かといって、安いものを手頃だという理由で勧めるお店もちょっと考えたほうがよいでしょう。基準になるのは三線本体で3万円以上4万円以下というところでしょうか。このあたりの値段のものであれば、県内の職人が作った棹である可能性が高くなります。なぜ「県内の職人の作った棹」にこだわるかというと、大きく二つの理由があります。
ひとつは、輸入の棹には乾燥が十分でなく、ねじれの生じやすいものがあることです。また、形や塗りも首をかしげざるをえないものが多いようです。
もうひとつは、外国で三線を作らせることは、県内の職人の仕事を奪うのではないか、ひいては文化の空洞化を招くのではないかと思っているからです。もちろん、県産品にも良し悪しはあります。しかし、まずは県産品か輸入品かを区別してからの話です。
◆一枚張りを選ぶ◆
「強化二重張り」三線もできれば避けたほうがよいでしょう。皮が破れないことを売り物にしているわけですが、あまり意味がありません。本蛇皮の一枚張りでも破れるのは稀なことで、弾いてあげていれば破れることはまずありません。ほったらかしにされるのが一番良くないのです。ですから、弾かずに飾りで置いておくのには「強化二重張り」は本物らしくていいかもしれませんが、三線は弾いて楽しむのが本来の姿で、それならば一枚張りに限ると私は思います。
最近は音の面でも改良されてきたと言われているようですが(ということは音的に不満足なものが多かったことの証拠でもあります)、本皮や人工の一枚張りのものとは比べものになりません。破れてしまった本皮は張替えに出せば元どおりになります。大体、片面1万円からです。
◆本皮か人工かを選ぶ◆
どちらかといえば、初心の方には人工皮の三線をお勧めします。音に満足できて一番取り扱いのしやすい三線だからです。本皮は水に濡れるとだめになってしまいますが、人工皮ならば多少の水気は大丈夫ですから、外で遊んでいるときのにわか雨にも安心です。本皮が部屋でしみじみと歌うときなどに最適なのにたいして、人工皮は野外向きの三線ともいえます。人工皮のほうが行動範囲、活躍の場に幅があるというわけです。腕が上達したら、二本目の三線に黒木(黒檀)の本皮を求めることにして、一本目に人工を持っておくと、用途別に使い分けることができます。民謡界の重鎮、登川誠仁さんも愛用の六線は人工皮です。
本皮と人工皮では値段にたいした差があるわけではなく、当店では5,000円の違いです。それならということで本皮の三線を求める方も少なくありません。その場合には、くれぐれも弾いて可愛がってくださいと申し上げています。本皮の場合は弾いてあげることが最高のメンテナンスです。これは高価な三線になるほどそうなのです。それ以外にすることはありません。「何とか油」を塗るとかいうことも全く必要ありません。そんなことに気を使う暇があったら弾いてください。それで十分です。
